【書評】危険な世界史 運命の女篇 中野京子

『怖い絵』の中野京子が、彼女ならではの視点で世界史を斬るシリーズ第2弾。フランス革命前後200年という、歴史上おそらく社会も文化もいちばん変化した時代に焦点を当て、そこに生きた絢爛たる人々の、嘘みたいなそして何とも情けない話を集めました。加えて映画が描いた歴史の裏側もさまざまな角度から解説。ストーリーを追うだけではわからない事実が飛び出します。世界史好きも詳しくない方も楽しめる強烈な逸話集!

フランス革命前後の歴史逸話集

本日紹介するのは、中野京子の危険な世界史 運命の女篇です。

本作は怖い絵などで知られるドイツ文学者である著者による、さまざまな歴史の逸話を集めた本となっております。

本作の特徴として、あのマリーアントワネットを時間の基準としており、例えば”マリーアントワネット没後”、”マリーアントワネット生前”といった風に、フランス史に残る浪費家として名高い彼女をフィーチャーしたユニークな本となっております。

その理由については、まえがきで述べられているのですが、本作は元々、朝日新聞公式ブログ「ベルばら Kids ぷらざ」に連載されていた「世界史レッスン」と「世界史レッスン「映画篇」」をまとめたものみたいです。

その為、フランス革命から100年ほど前後の、激動の200年間が舞台となっております。

また歴史を原作とした映画に関する話も多く、その映画に対する著者の批評も見ることが出来ます。

基本的に西洋の話が多いのですが、日本の話も含まれているなど、かなり雑多な内容となっております。

著者の皮肉が光る、様々な逸話

中野京子の文体は非常に読みやすく、同時に皮肉の効いたものであり、それは本作でもしっかりと発揮されています。

本作はマリーアントワネットを時間軸に置いているにも関わらず、マリーアントワネット本人は殆ど登場せず、様々な面白い歴史の逸話が集められています。

映画に対する批評も多く、女性ならではの視点から、様々面白い考察がなされています。

いささかまとまりに欠けているか

しかし、本作は前述した通り、非常に多種多様な歴史の逸話が含まれておりハッキリ言って題名である”危険な世界史 運命の女篇”とはかけ離れた内容となっています。

また映画に対する著者の感想も非常に多く、歴史書として見るのではなく、あくまでも著者による考察を交えた、虚実の入り混じる歴史逸話集と見るべきでしょう。

総評

著者の皮肉を交えた、面白い歴史の逸話などを読みたい方には本作はお勧めの内容です。

しかし、純粋に歴史について学びたい方が読んだとしても、題名詐欺であると感じられるかもしれません。

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