【小説】黒い家 貴志祐介:人間の狂気の怖さを描いた傑作ホラー

黒い家 (角川ホラー文庫) | 貴志 祐介 |本 | 通販 | Amazon
  • 小説の概要

本日紹介するのは貴志祐介の代表作の一つ、「黒い家」です!

保険会社に勤める若槻は、中堅の保険会社員としての日々を送っていた。保険会社には

時には保険金詐欺を目的とした厄介な客がやってくることもあり、そういった客ともなるべく揉め事を

起こさずに穏便に解決しなくてはならない。そんな若槻の元にある日、中年女性から「自殺の場合には

保険金はおりるのかどうか」という質問の電話がやってきた。昔、兄を自殺によって無くしていた若槻

はこの客が自殺を考えているのではないかと疑い、業務中でありながらも自殺を思いとどまるように説

得した。まさかそれがこれから起こる恐ろしい体験の引き金になるとも知らずに…

  • この小説の魅力

この小説はいわゆる、オカルト系のホラーではありません。その為そちら方面の恐怖を求めている方は違う本を選んだほうが良いでしょう。

この小説では、日常の世界に忍び込んでくる「人間の狂気」について恐怖が詳細に描かれています。普通の人間とは全く違う、心の無い人間の恐ろしさが強い緊迫感と共に描かれており、それは途中で主人公がある事実に気づくことから加速的に高まっていきます。

  • 登場人物

この物語には主人公である若槻のほかに、性善説主義的な人間観を持った主人公の恋人の恵。

主人公の元へと電話をかけてきた中年女性の菰田幸子、そしてその夫である菰田重徳。

そして主人公へとアドバイスを送ってくれる、職場の上司や恵の大学院の教授などが登場します。

個人的には若槻の恋人である恵については、余りにも理想主義的すぎる考えから余り共感を持つことができませんでしたね。むしろ彼女の大学院の助教授で、彼女からは余り良い印象を持たれていない金石のほうが個人的には共感できる人間観を持っていましたね。

また序盤と中盤で登場してくる、保険金目当ての厄介な客を専門としたトラブルシューターの三善は僕の一番お気に入りのキャラクターでしたね。彼が中盤で吠えるシーンは個人的に痺れました。

  • 予想できない展開 

正直言って、事件の真犯人についての推察は途中で薄々と気づいていたので、そこまでの驚きはありませんでした。

それよりも、中盤で主人公が恋人の恵を救うために黒い家に乗り込んだ際にある人物が惨殺されていたことに衝撃を感じました。まさかあの人が、ここでこんな殺され方をするとはと…

そして全ての事件は解決したと思った矢先に、主人公の務める会社へと真犯人が侵入してきた際には、読んでいて寒気を感じましたね。この当たりの恐怖と緊迫感はまるで自分もその場にいるような感覚が貴志祐介の巧みな筆力によって感じました。

  • 総評

日常の世界へと入り込んでくる恐怖、本当に恐ろしいのは人間であるということ。この二つが詳細に描かれている本作は、個人的にクリムゾンの迷宮と並んで貴志祐介の作品の中ではお気に入りの一冊です。

オカルト以外の恐怖を求めている方は是非本作を手に取ってみてはいかがでしょう。

  • 余談

本作を原作とした実写映画化もされているようであり僕は見たことは無いのですが、余り評判は良くないみたいですね。女優の大竹しのぶの怪演は評価が高いようですが…

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