【小説】夜市 恒川光太郎

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。野球部のエースとして成長した裕司だったが、常に罪悪感にさいなまれていた――。 ホラーというより、ノスタルジックな和風ファンタジー 今回紹介するのは、恒川光太郎の夜市です。 本作は第12回日本ホラー小説大賞受賞作であり、第134回直木賞の候補作とまでなった傑作です。 大いに期待して読ん […]

【小説】木曜日の子ども 重松清

7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。結婚を機にその地に越してきた私は、妻の連れ子である14歳の晴彦との距離をつかみかねていた。前の学校でひどいいじめに遭っていた晴彦は、毒殺事件の犯人・上田祐太郎と面影が似ているらしい。この夏、上田は社会に復帰し、ひそかに噂が流れる―世界の終わりを見せるために、ウエダサマが降臨した。やがて旭ヶ丘に相次ぐ、不審者情報、飼い犬の変死、学校へ […]

【書評】危険な世界史 運命の女篇 中野京子

『怖い絵』の中野京子が、彼女ならではの視点で世界史を斬るシリーズ第2弾。フランス革命前後200年という、歴史上おそらく社会も文化もいちばん変化した時代に焦点を当て、そこに生きた絢爛たる人々の、嘘みたいなそして何とも情けない話を集めました。加えて映画が描いた歴史の裏側もさまざまな角度から解説。ストーリーを追うだけではわからない事実が飛び出します。世界史好きも詳しくない方も楽しめる強烈な逸話集! フラ […]

【小説】死を前にして、過去に向き合う:カシオペアの丘で 重松清

肺の腫瘍は、やはり悪性だった―。40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられたその日、俊介はテレビ画面に、いまは遊園地になったふるさとの丘を見つける。封印していた記憶が突然甦る。僕は何かに導かれているのだろうか…。『流星ワゴン』『その日のまえに』、そして―魂を刻み込んだ、3年ぶりの長篇小説。 ネタバレ注意 死を前にして過去と向き合う感動作、いささか設定の詰め込みすぎか 本日紹介するのは、重松清 […]

【小説】家族を救おうとした殺人者…:青の炎 貴志祐介

秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹の三人暮らし。その平和な生活を乱す闖入者がいた。警察も法律も及ばず話し合いも成立しない相手を秀一は自ら殺害することを決意する。 ※ネタバレ注意 母と妹を守るため、17歳の高校生は殺人を決意する… 本日紹介するのは、貴志祐介の傑作サスペンス小説、青の炎です。本作は1999年に出版され、2003年には二宮和也主演で映画化もされています […]

【小説】現実と物語の境界が無くなる…:ゼツメツ少年 重松清

これは、あなたが読んだことのない重松清――本当の救済がここにあります。小説家であるセンセイに、ある少年から旅の詳細を記した手紙が届く。それは、生き抜くために家出をした三人の少年少女の記録だった。しかし現実の彼らはある事故に遭っていた――。ナイフさん、エミちゃん。手紙にはセンセイの創作した人物まで登場する。これは物語なのか、現実なのか。全ての親へ捧げる、再生と救済の感動巨編。 ※ネタバレ注意 重松清 […]

【小説】尻すぼみに終わってしまう王道ホラー:墓地を見下ろす家 小池真理子

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。ただ一つ、そこが広大な墓地に囲まれていたことを除けば…。やがて、次々と不吉な出来事に襲われ始めた一家がついにむかえた、最悪の事態とは…。復刊が長く待ち望まれた、衝撃と戦慄の名作モダン・ホラー。 名作中の名作との呼び声高い作品、しかし… 本日紹介するのは小池真理子の墓地を見下ろす家です。本作 […]

【小説】人生の分岐点にもし戻れたら…:流星ワゴン 重松清

死んじゃってもいいかなあ、もう……。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして――自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか――? 「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。 ワゴン車に乗って人生の岐路へと遡る現代ファンタジー 本日紹介するのは重松清の流星ワゴンです。この作品は200 […]

【小説】4人家族が当たり前だった時代:一人っ子同盟 重松清

ノブとハム子は、同じ団地に住む小学六年生。ともに“一人っ子”だが、実はノブには幼いころ交通事故で亡くなった兄がいて、ハム子にも母の再婚で四歳の弟ができた。困った時は助け合う、と密かな同盟を結んだ二人は、年下の転校生、オサムに出会う。お調子者で嘘つきのオサムにもまた、複雑な事情があって―。いまはもう会えない友だちと過ごしたあの頃と、忘れられない奇跡の一瞬を描く物語。 一人っ子が珍しかった昭和の時代を […]

【小説】旅のラゴスの永遠版:永遠を旅する者 重松清

一千年の命。戦乱。平和。憎しみ。愛――果てしなき放浪の中で男が目にしたものは。 『ファイナルファンタジー』坂口博信 『バガボンド』井上雄彦 との絆から生まれた壮大なる命の賛歌 カイム。永遠の生を生きる男――すなわち、死ねない男。数えきれないほどのひとの誕生と死を見つめながら一千年の旅をしてきたカイムがかつて訪れた町、出会った人々。あまりにも短くはかない、だからこそまばゆい、人間の命の輝きがそこにあ […]